語彙・ボキャブラリー(4)

前のページで言ったように、ここでは主にTOEIC450点以上くらいの基本単語が曲がりなりにも(たとえpassiveでも)身に付いてきている人を対象としてお話ししてみましょう。

  • 「了解。基本単語はもうそこそこ良いとしてそれ以外の語彙になるわけですね?」と思われた方、違います。ここで2つのことを視野に入れておく必要があると思います。ひとつが(1)基本単語をactiveにしていくこと、それから(2)「必要に応じて」それ以外の語彙を習得していくことだと思います。
  • まず(1)について。TOEIC500点くらいから英語学習を始めやっと現在600〜700点にとどいた人がいるとしましょう。その人がTVである日セサミストリートを観ました。おそらくまだかなり難しく感じ、せいぜい半分くらいしか分かんないや、という方が殆どだと思います。日本でいえば幼稚園生や小学低学年が対象の番組であるにもかかわらずです。なぜでしょう?
  • セサミストリートで使われる単語はもちろん基本単語の範疇であり、むしろその中でも比較的限られた基本の基本的単語が殆どです。それでも何を言っているのか分からないのは、まだまだそれらの語彙がpassiveだからです。ナチュラルのスピードや子供口調や出身地の訛りなどを聞き分け、英語の語感をもってアイデアとして理解するだけの幅がない、すなわちactiveになってないからです。聞けないだけでは無いですよ。スクリプトを読んでも語感的にピンとこないという人は多いと思います。
  • そういう意味での基本単語のactive化は、それ以外の語彙力を学習するよりも遙かに重要です。特にリスニング・スピーキングに不足を感じている人はこの部分が甘いことが多いのが普通です。日常の会話の骨子は90%以上これらの基本単語で事足ります。セサミストリートのみならず映画などでもこの部分を固めれば理解度はかなり上がるはずです。
  • ここまで話せば、それらの基本単語を単語帳めくりのイメージで学習しても意味が少ない(無いとはいいませんが)事はお分かりだと思います。この事は私がreading、listeningなどのインプットを蓄積すべきだと言ってきた事ともつながります。
  • ただそれではぶっきらぼうすぎるので、少し具体的にどういう方法が考えられるかを次のページで考えてみましょう。